ポルトガルのファド:マリーザの唄
足の治りが遅いので、ヘラ鮒釣りも我慢している。
音楽レビュウーを書くには良い機会なので、今日もポルトガルのファドの記事です。
御大のアマリア・ロドリゲスやカルロス・ド・カルモは別格だが、現在のファド歌手は実力者が粒ぞろいで、大いに愉しみがある。
●Mariza(読みはマリーツァまたはマリッサが正しい)の映像で「O Gente da Minha Terra/私の国の人々」
Fadoを代表する様な歌だ。ギターラ(ポルトガルギター)の調べが泣かせる。
映像は少し古いがアメリカツァーの際にTVの有名なD・Letterman's Showに出演した時のもの。
略歴:
マリーザ(1973~)ことMariza Nunesは1973年、アフリカ南東部モザンビーク生まれ。モザンビークは以前ポルトガル領だった国で1975年に宗主国から独立を果たした国だ。父はポルトガル人で仕事でモザンビークに行き、そこで結婚、母は現地女性。
容姿、声、感性すべて混血の賜物と思われる。
モザンビークで生まれたが直ぐにポルトガルに移住した。読み書きが出来るようになる前からファドを歌い始めたマリーザに、父は歌詞をストーリー仕立ての漫画にして覚えさせた。両親はリスボン郊外の古い町モルラリーアでレストランを経営していたのだが、マリーザは5才になるとそのレストランで定期的に歌うようになった。
物心つくようになるとマリーザはファドに没頭し、数々のファドハウスで歌い続けた。情熱的で、感情的で、哀しみに溢れ、時には嫉妬や皮肉に溢れたファドの心を見事に歌い上げるマリーザの表現力は、この時期に形成されたといって良いだろう。
魂が震え立つと言うのは、正にこの様な歌手・唄の事か・・