Gaivota/かもめ
前の記事では「La Paloma/鳩」の唄を取り上げたが、
FADOはポルトガルの伝統音楽で、運命または宿命を意味している。イタリアのカンツオーネ、フランスのシャンソン、アルゼンチンのタンゴ、ブラジルのサンバ等があるように、ポルトガルにはファドがある。主に「Casa do Fado」と呼ばれるライブ・レストランや酒場などで唄われて来て、スペインのフラメンコもそうだが、ファドを聴きにくる観光客で満員の店も有る。もちろんTVやコンサートホールでも歌われている。
日本では、ファドは女性が歌うものとの認識が強いようだが、実際には性別に関係なく歌われる。また、ファドは暗く悲しい嘆き唄だと紹介されることも多いが、我が町を賛美したり、街のうわさ話などを題材とした陽気なファドも数多くある。
リスボンの港の空に舞うカモメに恋人を亡くした悲しい気持ちを託した歌。
多くの現代のポルトガルのファド 歌手によって歌い継がれている。
●前にも載せた定評のあるモダンファド歌手クリスティーナ・ブランコの切々たる「かもめ」。珍しく若い頃の自宅でのプライベイト映像・英語の字幕付
●ファド歌手では無いがヒタ・グエッラの唄で。割とあっさり淡々と唄い歌い流しているが、でもそれも良いかな。
●日本語で歌うファドの為の歌詞なので、原詩とは少し違うが記してみよう。
空にかもめが一羽
夜明けの港 リシュボア
ゆるやかに舞いながら
青空を運んでおくれ
私の飛べぬ翼が
折れて落ちる前に
夜明けの港 リシュボア
ゆるやかに舞いながら
青空を運んでおくれ
私の飛べぬ翼が
折れて落ちる前に
七つの海を越えて
船乗りは漂う
あなたのささやきが
揺れるさざ波のように
この耳に届くなら
船乗りは漂う
あなたのささやきが
揺れるさざ波のように
この耳に届くなら
さよならを 命に告げたら
かもめの群れが羽ばたき
恋しいまなざしを
形見にしてくれたら
私の最後の愛を
忘れられぬ瞳を
かもめの群れが羽ばたき
恋しいまなざしを
形見にしてくれたら
私の最後の愛を
忘れられぬ瞳を
海に渡る風が
この胸を 波たたせる
あなたの手のひらに
真白き この心が
くるまれていたならば
この胸を 波たたせる
あなたの手のひらに
真白き この心が
くるまれていたならば