その③:玉置浩二と絢香の「三日月」
このところ若い頃にはあまり聴かなかった音楽を見直すつもりでいろいろと聴いているが、この歌手もその内の一つだ。
彼の2016年58歳の夏のショーで、ゲストに絢香を迎えた時の映像。
彼は引き立て役だが、そのサポートが素晴らしい。
もちろん絢香の原曲が良いからだが、まるで最初からデュエット曲だったかのように聴かせる。玉置がコラボすると前に出過ぎずに、相手の良さを上手く引き立ててより素晴らしい楽曲になる。良い歌を唄う後輩に対する愛に溢れていて、音楽を心から楽しみ、 余裕があり 、余白がある。 良い具材に良質のスパイスを利かせている様なものだ。
すべては彼の音楽的才能の賜物。並の音楽人ではない。
余談だが、私が絢香のこの曲を初めて聴いたのは10年くらい前で、100均店で買い物をしていた時にバックに流れていて、おや!と気に留めて調べて知った。
「さび」の処が妙に気に掛かったのだ。けれどファンと言う訳では無く、ちょっと気になると言った処かな。歌詞は今風なのかやや嘘っぽくて私の好みではないが、そんな歌詞が多いのが逆に今風なのかな?
井上陽水の歌詞なら独特。実に抽象的で、聴くほうは想像力をフル回転させられる。本来、歌詞とはこうでなくてはならないと思うが、現代の若者が作る具体的・直截的すぎる歌詞では想像力など発揮する余地もない。 歌詞とは本音と建前のせめぎ合いみたいなものだろう。建前だけれど、それに夢や想いを託して本音の様に思わせる技だと思う。虚々実々も是々非々か?