HARRY-San’s 晴釣雨聴

徒然に4月~9月は自然繁殖した野のへら鮒釣り、10月~3月は音楽の事など書き留めています。過去の音楽の記事は検索に「音楽」と入れて一覧を表示してご覧下ださい

カントリーミュージック界のレジェンド・マール・ハガード逝去

カントリー音楽の伝説的な歌手であるマール・ハガードが奇しくも自身の誕生日6日に、北カリフォルニアの自宅で肺炎による合併症のため死去した。
79歳だった。
「Okie from Muskogee」や「Fightin’ Side of Me」といったヒット曲で労働者階級や社会の底辺を代弁する存在になった。







60年に及ぶキャリアの中で30回以上、全米ナンバーワンヒットを記録した。極く若い頃は貧乏ゆえの窃盗など軽犯罪に手を染め収監もされたが、これを克服。つい最近まで精力的にコンサート活動などしていたが 、体調が思わしくなくなり自分はもう長くは無い、と家族には話をしていた。

私の長年愛して来た、偉大なるカントリーミュージック界のレジェンド。
生き馬の目を抜くアメリカのショウビジネス界で何十年間も唄い、愛されて続けて来たし、つい最近までも現役だった。これは凄い事だ。
ホール・オブ・フエイム(名声の殿堂)入りもして、まさにアメリカの国民的な大歌手だった。(日本では一般的にはあまり知られていないが・・笑)

カントリー音楽界の若い人達にも本当に愛され、George Jonesと共に目標にされて来た。今のカントリーの女王様のReba McEntireなどは「マール・ハガードオクラホマ出身の大歌手)がこれまでに出していた全てのアルバムを持っている」と語るほど影響を受けており、若い頃には兄や妹とともに「ハガードが歌ったすべての歌」を歌ったと語っている。
George Jonesが2013年に83歳で急逝し、続いてMerle Haggardか・・・。
伝説の巨人と呼ばれた人で、残るはWillie Nelsonのみになった(彼は遅咲きだったが)。
ブログ記事もそろそろGeorgeとMerlの事を記事にしなくちゃと思っていた。大分以前に死んだJohnny Cashを入れて4人もカントリー・キングが居た時代で、それに続く実力者も沢山いて、まさにカントリーミュージックの黄金時代だった。

●Green Green Grass of Home: 若い時の録音(オリジナルはCurly Putman)
日本では3番の歌詞を省き、単に望郷の唄としているが、本当は短いまどろみの中でふるさとの小さな町に帰り、懐かしい人びとや場所に出会ったのは、「死刑囚が処刑の直前­に見たひと時の夢にすぎなかった」の歌詞だ。
1番の歌詞は「They All Come to Meet Me~」だが3番の歌詞は「They All Come to See Me In the sadow of the old oaktree」で、よく遊んだ樫の木陰に埋葬された自分を見ているだろう、となっている。死刑囚とか埋葬とか日本では考えられない題材が取り上げられている。アメリカならではの事だ。
カントリー音楽には他にも「離婚・DIVORCE」Tammy Wynetteとか、死んでしまったかっての妻を偲んだ歌「He Stopped Loving Her Today 」George Jones  などが取り上げられ、有名歌手によって大ヒットした。本音と建前の差が近く、いかに生活に密着した音楽かが分かるだろう。そこに私が「この音楽の本音」を感じとれるのだ。
音楽は本質的に民族や自出の、喜怒哀楽を表現するものと思っているから・・。  
            

そしてその後カントリーミュージックキングのGeorge Straitや女王の
Reba McEntireなどを輩出して、現在はGarth BrooksやTayler Swiftなど、アメリカPOP音楽界の年間売上高の最上位に位置する歌手を生み出し、ドル箱のジャンルとなった。 
本物のアメリカ音楽をありがとう・・・どんなに癒されてきた事か。
冥福を祈るしか無い・・・。