ウィリー・ネルソン:雨の別離
カントリー・ミュージックのレジェンド達と言えば、特別のH・ウイリアムスなどを除けば大御所と言える人はジョニー・キャッシュ/ジョージ・ジョウンズ/マール・ハガード/ウイリー・ネルソンなどが挙げられるが、今や存命はウィリー・ネルソンのみになった。彼も83歳で、年齢的に移住した家の有るハワイのカウアイ島に引退だろう。
前回ウイリーを取り上げているが、続いても彼の唄を取り上げることにした。
沢山の名曲を書いているが、初のメジャー・ヒットおよびグラミー賞を受賞したのは自作では無く、名ソングライターFred Roseの作曲・作詞のこの曲で歌手として遅咲きのメジャー・デビューをした。彼が最初に唄った訳では無いが、しっとりとした佳曲で、多くのカントリー歌手によってカヴァーされている。
●[雨の別離~Blue Eyes Crying in the Rain] 1980年47歳の映像
略歴:
テキサス州フォートワース近郊アボット出身。イギリス・アイルランド・チェロキーの血を引く。1959年代から音楽活動を始める。当初はカントリーミュージシャン、作曲家としての仕事が主だった。1960年代後半のヒッピー・ムーブメントに強い影響を受け、同時にさまざまな音楽性を吸収する。
1975年シングル「雨の別離」(原題:Blue Eyes Crying in the Rain)は、ビルボード誌のカントリー・チャートで1位を獲得し、グラミー賞のベスト・カントリー・ボーカル(男性)部門を受賞。独特の鼻にかかった歌声、保守的なカントリー界にあってヒッピー的なスタイル、雑多な音楽性は異彩を放ち、保守的な従来のカントリーの主流だったナシュビルからは異端児と見られ、彼の音楽は「アウトロー・カントリー」と呼ばれた。ウィリー・ネルソンといえばポップなカントリーの象徴と見做されることも多いが、クロスオーバーな活動を続けたことにより、多くのミュージシャンからの尊敬を集めている。数々のアメリカン・スタンダード曲なども歌い、ジャンルに捕らわれなく自己薬籠中にして幅広いフアンを魅了している。
1985年にニール・ヤングやトム・ペティ、ジョン・フォガティ、ボブ・ディランらと共に、経営難に苦しむアメリカ合衆国の小規模農場や個人経営の農家に対しての基金を集める目的の大規模のチャリティー・コンサート「ファーム・エイドFarm Aid」を開催。その後は賛同する著名ミュージシャン多数が出演し、毎年中西部を中心に全米各地で開催している。またネルソン自身、大学では農業を学んだほか、ヒッピー思想も相まって自然志向が強い。現在はハワイ州カウアイ島に住んでいる。
2015年、ポピュラー音楽によって世界の文化に多大な影響を与えたことを讃えてガーシュイン賞を受賞した。(参照:前回記事の映像)
●アメリカン・スタンダード:All OF Me
●これもアメリカン・スタンダード:George On My Mind /ホギー・カーマイクル作曲
間奏の10穴ハーモニカ(BluesHarp)はミッキー・ラファエル
昔この曲をレイ・チャールスの作詞作曲の歌と言っていた人がいて、ビックリした事がある(苦笑)。確かにアンクル・レイはカントリー曲でもスタンダード曲でも自作の様に物にするほど天才的に違いないがね・・(笑)