酒とバラの日々
優美な題名に惑わされてはいけない(笑)
徐々にアルコールにおぼれて行く夫婦を描いた悲惨な映画なのだ。
優美を装っている曲だからこそ、ますます映画のストーリィが際立ってくる。
作曲したのはイタリア系のヘンリー・マンシーニ(HenryMancini)で、他にも「ティファニーで朝食を/ムーン・リバー」や「シャレード」「ピンク・パンサー」「ピーター・ガン」などを作曲した。この曲は1962年度アカデミー歌曲賞を受賞した。また、グラミーでは最優秀レコード賞、最優秀楽曲賞、最優秀編曲賞を受賞した。
今までにスタンダード・ナンバーとして多くの歌手が唄い上げ、また演奏されている。
やはり人生の切なさ、やるせなさを表現している処に、人気があるのだろう。
●唄/アンディ・ウィリアムス/1963年(36歳)
彼といいF・シナトラやT・ベネットといい、イタリア系の人は何て唄が巧いのだろう・・
<日本語訳詩>
酒と薔薇の日々は
遊んでいる子供のように笑い
そして走り去ってゆく
草原の中の以前には無かった
草原の中の以前には無かった
「もう二度とない」と書かれた閉まりゆく扉に向かって
孤独な夜は
孤独な夜は
ほんのひと時の間だけ
そよ風を吹かせる
私を酒と薔薇、そして君がいた日々へと誘った
あの輝くような笑顔の想い出で満たされたそよ風を
私を酒と薔薇、そして君がいた日々へと誘った
あの輝くような笑顔の想い出で満たされたそよ風を
●あらすじ
宣伝会社の営業部に所属するジョーは得意先のパーティーで大会社の秘書カーステンをセミ・プロの女と間違えて怒らせる。翌日、彼女に詫び、何度も食事に誘う。陽気で酒好きのジョーとは反対に、カーステンは甘党だったが強くひかれる。植物園を経営するカーステンの父エリスに報告に行くが、不機嫌な父の顔を見て生まれて初めて自分から酒を求める。結婚して幸福な月日が流れ、女の子デビーも生まれる。
ジョーは酒の上の失敗で減俸され、出張が多くなる。淋しさから少しずつ飲むようになったカーステンは酔い潰れてアパートを火事にし、この事件でジョーはクビになる。ジョーは次々に職を変え、妻も飲酒がひどくなる。2人は禁酒に失敗。貧民街に移った一家は父の植物園で働くことになり、健康も回復。しかし、こっそり持ち込んだ酒で2人とも酔い潰れ、ジョーは強制入院。破滅を悟ったジョーは断酒会の集会に出るようになったが、妻はアル中を認めず、家出し自堕落な生活を送る。やっと妻を見つけたジョーは妻の懇願でまた酒の虜になる。断酒会の補導員は彼女をエリスに預け、ジョーが更生するまで会えなくする。1年経ち、真面目に働き、小綺麗なアパートに住むジョーの所に妻が現れる。自分をアル中と認めない彼女はジョーの言葉に絶望して去る。デビーが「ママはよくなるの?」と尋ねると「僕が治ったろ」と答える。でも、妻の行く先にはバーの看板が見えた。(wikipediaより)